「プラズマ科学のフロンティア」研究会

「プラズマ科学フロンティア2014」研究会 ポスターセッション

  • ポスター番号に「*」が付いているものは、学生ポスター賞の対象となる発表です。

   01*    「ヘリウム原子温度計測のための狭帯域波長可変レーザーの開発」
1日大生産工、2名大工 : 小幡武正1、辻原匡志2、釜谷大樹2、梶田信2、大野哲靖2、荒巻光利1

非接触プラズマを生成することで、ダイバータの熱負荷を軽減させるシナリオでは、イオン、電子、中性原子の温度が重要なパラメータとなる。発表では、ダイバータ領域のヘリウム原子温度計測を目的として開発した、狭帯域波長可変レーザーと、それを用いたテストプラズマの吸収分光について報告する。
   02*    「新しいドップラー分光計測のための光渦光源の開発」
1日大生産工、2名大工 : 板里一輝1、野々部和樹2、西澤典彦2、荒巻光利1

我々は、光渦をプラズマ分光に導入することで、従来のドップラー分光法では観測不可能であった横方向のドップラー効果の観測を目指している。横方向のドップラー効果を観測するには、小さなビーム径をもつ、トポロジカルチャージの大きな光渦を生成する必要がある。発表では、空間位相変調器を用いて開発した光渦光源とそのビームパラメータについて詳しく報告する。
   03*    「フェムト秒レーザーを導入した能動的LIF分光計測システムの開発」
九大総理工 : 増田真規

高強度光電場中では、原子中の電子に非線形的な相互作用を起こす。フェムト秒レーザーはこの相互作用により、プラズマ中の原子のエネルギー状態の遷移を制御することを可能にする。我々はフェムト秒レーザーによる原子のエネルギー状態を制御した能動的LIF法の計測システム開発を目指している。本研究ではフェムト秒レーザーの照射とLIF分光計測を同時に行うことで、ターゲット準位に粒子を生成し、LIFシグナルを増加させることができた。
   04*    「プラズマ中における高電子温度領域の局在化」
九大総理工 : 高塚啓明

核融合研の直線装置HYPER-I中のECRプラズマにおいて,高電子温度領域が局在していることが観測さている.この現象では,電子群が空間的に有限なサイズを持つことや,導入ガス種の質量のルートに比例し現象の持続時間が長くなることが報告されている.現象の理解には,イオンや中性粒子の挙動の理解が必要であるが,今回,ICCDカメラを用いてイオンおよび中性粒子の発光分光計測を行ったので,その結果について紹介する.
   05*    「非接触プラズマにおける非拡散的輸送現象の挙動解析」
名大工 : 恩田卓哉

本研究では高速カメラを用いて、直線型装置NAGDIS-IIでの非接触プラズマにおいて観測されるPlasma Blob輸送現象に関する研究を行った。主な内容は、(1)高速カメラを用いて、プラズマ柱の揺動、Plasma Blobの発生の瞬間の計測、(2)高速カメラ計測によって得られたデータを用いて画像解析を行うことによりプラズマ柱の揺動に伴う構造変化とPlasma Blob発生の関連性の調査、(3)遮蔽物を用いてプラズマに擾乱を与えることにより、直線型装置におけるPlasma Blobの発生位置の調査を行った。本講演ではこれらの結果をまとめたものを報告する。
   06*    「レーザー核融合実験用先進ターゲットの開発」
1兵庫県立大工、2阪大レーザー研 : 中村梨緒1、河ア翔平1、古賀麻由子1、永田みず穂2、乗松孝好2

現在新たなエネルギー源としてレーザー核融合が注目を集めている.レーザー核融合には中心点火方式と高速点火方式の二つの方式がある.高速点火方式とは圧縮された燃料球に追加熱レーザーを照射し点火する方法である.この方式では爆縮時に発生する高密度プラズマによって追加熱用レーザーの導波路であるガイドコーンの先端が破壊されるということが危惧されている.本研究ではレーザー熱CVD装置を用いて,ガイドコーン先端破壊の防止策として考えられるアルミニウムコーンチップの作製に取り組んでいる.
   07*    「高輝度EUV光源プラズマの放射流体数値解析」
1宇都宮大工、2東北大多元物質、3チェコ科学アカデミー物理部門HiLASE、4レーザー総研 :
原広行1、荒居剛己1、鈴木悠平1、廣瀬僚一2、三浦泰祐3、遠藤彰3、ROY Amitava3、MOCEK Tomas3、東口武史1、砂原淳4

EUVリソグラフィーにおけるマスクの検査用光源や生物細胞観察用水の窓軟X線顕微鏡には高輝度光源EUV・軟X線光源が必要である.高輝度プラズマ光源には,光源サイズを小さくしつつ,低デブリ化することが同時に求められる.本研究では,質量制限ターゲットとしてのドットターゲットを用いるサブナノ秒レーザー生成プラズマEUV光源を提案し,原理実証実験における実験条件での放射流体数値解析を行った.本発表では,実験結果と数値解析結果を比較検討する予定である.
   08*    「小型IECF装置におけるリング電極形状に対する中性子発生率の依存性」
1日大院量子、2日大物理、3日大量科研 : 根津周平1、松沢拓弥1、渡辺哲史2、渡部政行3

本研究ではIECF方式を用いた中性子線源の開発を行っている。装置は小型な円筒型であり,陰極にリング状の電極を用いていることが特長である。陰極、陽極間に十数kVの負の高電圧を印加することで、重水素イオンを陰極リング中心部に加速、収束させ核融合反応を起こす。これまで10^4個/s程度の中性子生成に成功しており、現在はリング陰極の形状を変えた場合の中性子の発生数などの比較,最適化を行っている。
   09*    「線形RFイオントラップ内のイオン蓄積量計測」
1日大院量子、2日大量科研 : 横山達郎1、長田康志1、渡部政行2

イオントラップは多数個の荷電粒子を空間に捕捉する技術の総称である。本研究では空間に束縛された荷電粒子群の特性やその集団的な振る舞いを調べることを目的として線形四重極RFイオントラップを用いた実験を行っている。現在、装置内に捕捉された荷電粒子の蓄積量を計測するためにRF共鳴吸収法を用いた実験を行っている。RF共鳴吸収法は電気回路の共鳴現象を用いて、高周波電場をイオンが吸収する性質を用いたイオンの検出方法である。
   10*    「ウェーブレット変換を用いたRFPプラズマの磁場揺動解析」
1日大院量子、2日大量科研 : 柏井隆希1、 円谷大樹1、渡部政行2

RFPプラズマではダイナモ効果に起因した磁場揺動が配位の形成に重要な働きをしている.その反面,この揺動成分は磁気面を崩壊させ粒子及びエネルギーの損失を招いている. そのためRFPプラズマの閉じ込め特性の改善には, 揺動に伴うダイナモ効果の理解が重要となる.本研究では, 信号の時間的な変化を解析する手法であるウェーブレット変換を用いて, RFPプラズマ周辺部の磁場揺動の解析を行い, プラズマ閉じ込め特性との関連を調べた.
   11*    「Heプラズマ照射によるタンタルの表面構造変化」
名大工 : 石田智哉

タングステンにHeプラズマを照射することで形成される繊維状ナノ構造は表面積や吸収率の増加、光の吸収波長の変化が確認され光触媒としての応用が期待される。そこで本研究では可視光応答光触媒として期待されるタンタルにHeプラズマを照射し表面変化を観察することでタンタルにおける表面変化およびナノ構造の形成条件の調査を目的とした。本研究の照射条件では、表面にHeバブル・ホールを確認、その形成条件を確認した。
   12*    「Experimental investigation of Adiabat reduction in slow implosion process for fast ignition scheme」
阪大レーザー研 : 周暁

To achieve the slow implosion process for fast ignition with high gain, we improved the 1D target irradiation experiment by 1) shaping laser pulse with a gradually-growing foot 2)coating the polystyrene target with copper, so as to reduce parameter Adiabat.
   13*    「ダイヤモンドアブレーターによる初期インプリントの抑制効果」
阪大レーザー研 : 加藤弘樹

流体不安定性の抑制は未だにレーザー核融合の重要課題となっている。特に直接照射法では、照射不均一性によってターゲット上に出現するインプリントが流体不安定性の種となっており、その低減に対する決定的な解決策が必要とされている。今回、インプリントを低減する新しいアイデアとして物質の硬さに着眼し、過去の実験データが豊富なポリスチレンとの比較からダイヤモンドの初期インプリント抑制効果を検証した。さらにダイヤモンドでは、ポリスチレンとは違った形状の擾乱が発生することが分かった。
   14*    「高中性子束環境下において使用可能なシンチレータ式軟X線検出器の開発」
総研大物理科学 : 坂東隆宏

核融合プラズマからの軟X線放射を計測することはMHD不安定性の空間構造を調べる上で非常に有用である。従来、LHDではこの種の計測のために半導体ベースの計測器が用いられてきた。しかし、今後予定されているLHDでの重水素実験における高い中性子束環境下では、半導体が損傷してしまう危険がある。これを踏まえ、薄膜化することで中性子の影響を小さくすることできるCsI(Tl)シンチレータを用いた計測器の設計開発を行っている。
   15*    「東北大学ヘリアック装置における閉じ込め改善現象とイオン粘性の評価」
東北大院工 : 奥俊博

東北大学ヘリアック装置において、閉じ込め改善発現の物理解明に向けて、電極バイアス実験が精力的に行われている。新古典理論によると、閉じ込め改善時、急激にプラズマ流速が増加すると予測されており、その際イオン粘性力の非線形性が重要な役割を果たすと考えられている。最近東北大学ヘリアック装置にドップラー分光法が導入され、流速等の直接計測が達成された。この計測結果を用い、イオン粘性力を評価する。
   16*    「多チャンネル分光による直線プラズマ特性のガス圧依存性」
九大総理工 : 武次克哉

優れた磁場プラズマの閉じ込めの実現には乱流の理解が不可欠である。その理解のために、乱流の全域詳細計測を目指し直線プラズマ装置PANTAでは多チャンネル分光によるプラズマトモグラフィの開発を行っている。現在、プラズマの発光強度の線積分データ132chの観測に成功しており、今後トモグラフィアルゴリズムを用いて局所的な解析を行う。ポスターではその解析結果としてプラズマのガス圧依存性について報告する。
   17*    「直線プラズマの多チャンネル分光計測による揺動スペクトル解析」
九大総理工 : 高橋宏輔

直線プラズマ生成装置PANTAでのプラズマトモグラフィーの実現を目指した多チャンネル分光計測システムを開発している。トモグラフィーはプラズマの局所的・大域的揺動を同時観測する有効な手段であり、現在線積分データの揺動スペクトル解析を行っている。本講演では、スペクトル解析を用いたプラズマの相関およびモード解析の結果、およびトモグラフィー画像再構成の初期結果について報告を行う。
   18*    「HYPER-II装置を用いたプラズマダイナモ実験計画」
九大総理工 : 古田勘士

宇宙には磁場が普遍的に存在し磁場の起源を理解することは重要課題である。我々は高い電子温度を実現できるHYPER-II装置を用いて実験室でダイナモ現象の原理実証実験を行うためにプラズマを回転させ、そのときの磁場の応答の検証することを考えた。研究を開始するにあたり、レイノルズ数、磁気レイノルズ数、磁気プラントル数の3つの無次元量を指標にとった計画について述べる。
   19*    「HYPER-II装置を用いた発散磁場領域の流れ構造形成に関する研究」
九大総理工 : 川頭史弥

発散磁場領域において、イオン流線の磁力線からの乖離が観測され、同時にプラズマの周方向回転が駆動される興味深い性質が確認されている。我々は、直線型プラズマ実験装置HYPER-IIを用いて、発散磁場領域におけるプラズマの性質を解明することを目的とした実験的研究を行っている。今回、流速を計測できるレーザー誘起蛍光集光システム及びプラズマの回転を制御できる同軸円筒電極を用いた実験計画と初期実験結果について述べる。
   20*    「重元素プラズマUTA光源の原子番号依存性」
宇都宮大工 : 鈴木悠平

重元素プラズマから放射される極端紫外 (extreme ultraviolet: EUV) 光は,次世代半導体リソグラフィー露光用光源や生体細胞を観察するための水の窓軟X線顕微鏡用光源としての応用が期待されており,実験室光源の開発を進めている.重元素による多価イオンプラズマから放射される unresolved transition array (UTA) 放射は高効率かつ高出力放射であることが特徴である.原子番号Z = 60-83におけるUTAスペクトルを観測した.疑似モーズリーの法則について検討した結果について報告する.
   21*    「光パラメトリック法によるサブナノ秒中赤外レーザーの開発」
1宇都宮大工、2チェコ科学アカデミー物理部門HiLASE :
川崎将人1、笹沼淳史1、藤井雄介1、天野玲保1、三浦泰祐2、遠藤彰2、MOCEK Tomas2、東口武史1

高効率EUV光源・軟X線光源を駆動する炭酸ガスレーザー (波長:10.6μm) の短パルス化に必要となるシード光としてのサブナノ秒 (1 ns以下) 中赤外レーザーを開発している.シード光は,パルス幅が150 psのNd:YAGレーザーの基本波 (波長:1.06 μm) を多段の非線形結晶により,炭酸ガスレーザーの発振波長の10.6 μmに変換する.本発表では,その開発状況について報告する.
   22*    「斜め衝撃波によるイオン反射における多次元電磁揺動の効果」
名大理 : 稲垣順也、樋田美栄子

磁場に対して斜め方向に伝播する衝撃波は電子を捕捉し加速する。一方、イオンはその一部が衝撃波面によって反射される。近年、空間2次元・速度3次元の電磁粒子シミュレーションを用いて、捕捉電子が引き起こす不安定性によって2次元電磁揺動が大振幅になり、電子の運動が強く影響を受けることが示された。本研究では、この2次元電磁揺動がイオンの運動に及ぼす影響を理論と粒子シミュレーションで調べ、電磁揺動が反射イオンの割合を増大させることを明らかにした。
   23    「高効率EUV光源用炭酸ガスレーザー再生増幅器の開発」
宇都宮大オプティクス教育研究センター : DINH Thanh Hung

レーザー誘起プラスマによる波長6.x nm帯の極端紫外 (beyond extreme ultraviolet: BEUV) 光源には,unresolved transition array (UTA) 放射を高効率で起こすために,近赤外 (波長 1 μm) よりも,中赤外レーザー (典型的にはCO2レーザー,波長 10.6 μm)の方が適していることが本研究室での実験により明らかになっている.本研究では,高効率BEUV光源用のサブナノ秒CO2レーザー再生増幅器の開発を行っている.本発表では,再生増幅器とマルチパス増幅器のレーザービームの特性について報告する.
   24    「相対論的流体/プラズマにおけるリラベリング対称性」
東大新領域 : 川面洋平

相対論的ヘリシティの保存をNoetherの定理を用いてリラベリング対称性から導出した.また相対論においてはLagrange座標における保存則がEuler座標に変換すると発散の形ではなくなることを発見した.これはLagrange座標における時間は固有時間,Euler 座標における時間は基準時間と異なるために,Lagrange座標系における体積要素がEuler座標では時空間の入り混じった4次元空間に埋め込まれた3次元積分要素に変換されるためである.
   25    「電気対流乱流を用いた乱流輸送研究」
核融合研 : 永岡賢一

磁化プラズマ中の乱流輸送は、非常に複雑な場合が多い。特に流れを形成するようなプラズマでは、流れ場と乱流が相互に相関しており、その結果としての乱流輸送の評価/モデリングは、非常に難しい。そこで、シンプルな系での実験からのアプローチを提案している。一様な乱流中に、空間非一様や回転場がある場合に乱流が受ける影響と乱流輸送への影響を実験的に評価する試みを紹介する。
   26*    「大気圧プラズマによるトイレ浄化法の改善」
中部大工 : 藤井栄人

本研究は「大気圧プラズマによるトイレ浄化法の改善」の研究に取り組んでいる。「従来の浄化法」より効率的な「アンモニアストリッピング法」により屎尿中のアンモニアを大気圧Airおよび酸素プラズマジェットで、効率よく取り除く方法を目標としている。結果はAirおよび酸素プラズマにより、屎尿中から大気中に発生したアンモニアが削減され窒素ガスが発生することがわかった。今後はAirと酸素プラズマを用いた削減率を比較し、高効率な方法を追求する。
   27*    「車載用CO2分解装置の開発」
中部大工 : 渡邉直弥

環境問題からCO2削減を目標にしてLAMP(Large flow atmospheric microwave plasma:大流量大気圧マイクロ波プラズマ)を開発している。LAMPの特色は大流量で安価で削減効率が良いことである。さらに大流量に対応するため、新たにギア電極(Gear Electrode)を開発し、現段階で80L/minの流量まで削減することができた。これらを用い、車載用削減装置として取り付け、流量の一部の分解または削減の検討を行う段階である。

研究会世話人 連絡先
・吉村信次(核融合研)
  yshinji @ nifs.ac.jp
・永岡賢一(核融合研)
  nagaoka @ nifs.ac.jp
・荒巻光利(日大生産工)
  aramaki.mitsutoshi @
  nihon-u.ac.jp